王子・滝野川地区校外学習 < CM1 日本語EMILE >
11月28日、CM1日本語EMILE学習の一環として、王子・滝野川地区を歩いて周る校外学習を実施しました。34名の生徒達を案内してくれたのは、深沢様、阿部様をはじめとする北区観光ボランティアの方々6名と北区中央図書館地域資料専門員の保垣様で、地域の地理や歴史、伝統行事、そして水鳥や植物などの自然について、実際に見ながら学ぶことができました。
出発地点の王子駅近くにある「北とぴあ」までは、バスで移動しました。そしてその17階にある展望台まで上がって、北区から他県にまで渡るかなり広い範囲を眺め、場所や方角を確認したりしました。スカイツリーや新宿高層ビル群などはよく見えましたが、もやがかかっていたため筑波山や富士山などは残念ながら見えませんでした。
次に向かったのは、今年初めてコースに入れて頂いた王子稲荷神社です。そこでこの神社の歴史や毎年大晦日に行われる「王子狐の行列」などについての説明を聞いた後、拝殿や朱の千本鳥居、そして奥にある狐の穴を見学しました。かつてこの辺りには本当に狐が棲んでいて、神の使いとして大切にされていたそうで、神社入口の両脇で神を守っている守護獣も狐でした。「王子稲荷」は歌川広重の浮世絵「名所江戸百景」にも選ばれた場所でもあり、その「王子装束ゑの木大晦日の狐火」という作品は、唯一非現実の世界を描いた浮世絵として有名なのだそうです。
次は、音無親水公園を通って、「王子」という町の名前の由来となった「王子神社」へ向かいました。8月に行われるこの神社の例大祭では、「王子田楽」という舞が奉納され、主に小学生がきれいな衣裳を纏って1~2時間踊り続けるのだそうです。(王子田楽の始まりは鎌倉時代まで遡ると云われ、日本三大田楽の一つとして北区指定無形民族文化財となっています。)
「王子神社」を背にして参道を進むと、リセの後ろを流れる石神井川に辿りつき、そこからは川沿いを歩きました。途中、以前川底だった「音無さくら緑地」や「音無もみじ緑地」などの公園に立ち寄って、古い地層や植物、水鳥などを観察しました。でも、一番人気だったのは、23区で唯一の吊り橋:「緑の吊り橋」でした。ちょっと興奮して橋を揺らし過ぎてしまった人もいました。
次は、いよいよ後半のメイン、もみじの紅葉が美しい「金剛寺」を訪れました。もみじの色付き具合は微妙でしたが、いろいろな色に紅葉した植物と七福神、特に武具を持った弁財天などを見た後、階段に座って少し疲れた足を休め、記念写真を撮りました。
最後は、リセのすぐ後ろにある「谷津大観音」を見ました。ここで、観音様が男性であるか女性であるか疑問に思った生徒がいて聞いてみたところ、観音様には性別はないということでした。
リセの近くには、歴史の重みが感じられる神社やお寺、豊かな自然を観察できる公園など、名所がたくさんあることにみんなとても驚きました。そして、今でも地域の人達が力を合わせて祭りなどの伝統行事や豊かな自然を守ろうと努力していることを学びました。
北区観光ボランティアの皆様、そして保垣様には、興味深いお話をたくさん聞かせていただきどうもありがとうございました。子供たちは、今まで以上に北区が好きになり、今後さらにいろいろと詳しく調べてみようという気持ちになったようです。
北区には、徒歩で町巡りができる2時間位の観光コースが10程用意されています。2人以上で北区産業振興課の方にに申し込めば、どなたでも北区観光ボランティアの方々のご案内のもと、充実した地域巡りをすることができます。(03-5390-1234)